こんにちは、こわたです。
今日は読了した書籍の紹介をしていきます。
中村天風さん著、『運命を拓く』です。
友達に勧められて読み始めた、いわゆる自己啓発本みたいなものですね。私は結構啓発本が好きなので読んでて面白かったです。悩める子羊なので。
さて、この本を一言で言うと『心持ちで人生は大きく変えられる』といったとこでしょうか。
単純にまとめましたが、初めて読む人には「ん…?」となる部分は多いと思います。
具体的に何がっていうと、「万物の霊長たる人間」が「宇宙霊」を「従えた」りして「万物の一切をより良く作り変える」所とかでしょうか。
………怪しい宗教かな?
と感じましたが、この宇宙霊という単語自体にそこまで大きい意味はないようです。
宇宙には物を構成する原子よりも小さい、宇宙空間を構成している物質がある。それをとりあえず「宇宙霊」という単語で扱っているだけで、中村さんとしては仏陀でもキリストでも呼び方は各々に変えていいと書籍で明言していました。
この「宇宙霊」と「万物の霊長たる人間」というワードは結構な頻度で出てくるんですが、要は前向きに考えることで精神態度をあるべき姿にして生き甲斐のある人生にしようと語っているようです。
その方法として心身統一法、心理瞑想行というのが出てくるんですが、実際のやり方についてはこの本では紹介されていません。あくまで中村天風さんの教示で構成した書籍であることは把握しておいた方がいいでしょう。
言葉の端々は難しいのですが、伝えたいことは他の自己啓発本と結構似通っているように思います。ただ中村天風さんの場合、上記のような具体的な方法論も用いているところが他と違う所でしょう。天風会という団体もあるようです。
あとこの中村天風さんの人生がハチャメチャで、その経歴だけでも大分面白い。子供の頃から気性は荒かったそうだが、小学校時代に包丁を持って襲ってきた子供を返り討ちにして殺してしまったり、その後釈放され転々と学び舎を変えていった。その後スパイの仕事を紹介されて日露戦争では軍事探偵に従事。一時は捕えられ銃殺刑直前まで行くも爆発事件がちょうど起こり脱走。その後も色々活躍していくが帰国後に肺結核となり心身を病んでしまう。
各国を渡り救いを求めたが上手くいかず、帰りの船旅の途中で出会ったヨガの聖者と出会いやがて悟りへたどり着く。肺結核も治ったのでこの真理を悩める人に伝えよう、とそれから50年間にわたり教えを説いた……
あまりにも濃すぎる人生ですよね。しかもどこかのタイミングで医師の資格も取っているようです。私は結構映画とかアニメも好きですが、なんだかこういうの見てると「事実は小説より奇なり」を感じますよ。
そんなこの本の中で幾つか自分が気に入ったものを紹介します。
・所詮、人生は心ひとつの置きどころ。人間の心で行なう思い方、考え方が人生の一切を良くもし、悪くもする、というのが人生支配の根本原則である。
・神経過敏な人間は、現在の苦しさから逃れたい、死ぬのが恐ろしいという。それじゃ、生まれる前が恐ろしかったか…死ぬことは生まれる前と同じ境涯に入るだけのことじゃないか
・人生というものは、言葉で哲学化され、科学化されているからである。すなわち言葉は人生を左右する力がある。この自覚こそ人生を勝利に導く最良の武器である。
・人間は宇宙の進化と向上に順応するために生まれてきたのだと思います。
・痛い時は痛い、痒い時は痒いという、それは当たり前のこと。だが重要なのはそれから後を考えなければよい。瞬間の心の持ち方だ。消極的なことを心の中に入れないことだ。しかし入れないように頑張ると心の中で戦争しなきゃならないから、ふっといなしてしまえばいいんだよ。
・心の中に随分と要らないものをたくさん持っていると、肝心要のものを覚えようとしても程よく覚えられない。「ワタシは物覚えが悪いんで…」と平気で言っている馬鹿がいるが、そのくせ自分のものだけはどんなものでも忘れない。笑いごとじゃない。
・運命には2種類ある。どうにも仕様のない天命と、人間の力で打ち開くことの出来る宿命だ。
人間は万物の霊長とか、宇宙霊とか、壮大過ぎる話は個人的には抵抗感を感じてしまいます。しかし内容は興味深く教われることが多かったので読んで良かったと思いました。
それに俺は万物の霊長だ!って思っていた方が確かに、自己肯定感は上がりそうな気がしますね。
こういった文章の場では私も消極的なことはそこそこ書くでしょうが、リアルの場では積極的な言葉、つまりはポジティブな言葉を使いたいと思います。
それでは今日はこの辺で。
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