【★3.3】劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星 レビュー【真のファン向け映画】

今回は上映初日に見てきた名探偵コナンのレビューを書いていきます。

今作は服部とキッドがメインに据えられており、事前の告知でキッドの秘密が明かされるというのがありました。一体なにが明かされるのか、少しわくわくしながら劇場へ。

まずは観た総評ですが、「良かったといえば良かったけど自分は乗り切れなかった」。

今回の作品、とにかく登場人物が多いです。しかも劇場版においては初登場のキャラも出てくるし、そのバックボーンというか主人公たちとの関係性も特に語られなかった。なので特に前半はかなり置いてけぼりの状況になってしまったのです。

代表例を挙げると原作者の前作「YAIBA」から出演の沖田。沖田は本編コナンには出てきていたようですが劇場版では初登場。どうやら服部とは剣道のライバルとして立ちはだかっているようですが、最初から当たり前のように(しかも工藤新一とそっくりの顔で)出てきたものだから事前知識のない私はかなり混乱しました。

他にもYAIBAから鬼丸というキャラが出てきたりしてたそうです。確かに演出的に「皆さん、見てください!凄いキャラ出しましたよ!」って登場の仕方でしたが、やはり知っていないとその波には乗れないという。

あと前半で乗り切れなかった理由として、かなりハイテンポかつ各ポジションごとに色々動きを見せていくから、見ながら考察をしていかなければいけない。これだけなら普段は楽しめるんですが、上記のように「他作からか昔のエピソードからか、それともオリジナルか」キャラを判別するのにもリソースを割かなければいけなかったので全然乗れなかったのが残念でした。

ただこれは逆に、知っていればめちゃくちゃ楽しめる『ファン向けのお祭り映画』ということなんですよね。

劇場版しか追っていない自分にはハードルが高いのでもう少し敷居を低くしてくれると助かるんですが…でも真にファンが喜べるユニークな作品が産まれること自体は喜ばしいことだと思います。

まぁそんな感じで楽しみ切れなかったと書いてきましたが、後半からは素直に楽しめました。

爆発自体は控えめという評価もありますが、味方サイドのキャラがスタングレネードを公道に空爆したり、セスナの上で剣戟をしたり、一度敗れて落ちた服部が再びセスナに戻って立ち合いの所から仕切り直したり…と。爆発とは別なポイントが「今作もイカレてんなぁ!!」とたのしめました。アクションは全体的に楽しめたので流石のコナン映画だなと。

あと今回のゲストキャラも皆よかった。基本おっさんしかいないんだけど、キャラが立ってる。カドクラはなんかもう声がかっこいいし立ち回りも残虐かつ周到に動いていて強そう。斧江は悪党なんだけどどこか抜けた可愛らしさがあって面白い。そして今作の犯人のおっさんは声もアクションもかっけえし、動機が忠誠心というところも何か良い。そしてイカレた行動力を引き継いだ息子がセスナに乗って函館山を爆破しに飛び立つのはもう…なんかスゲエな!!

そして犯人が守ろうとした戦時中の兵器の秘密も、蓋を開けてみれば時代遅れの暗号解読機。あまりに拍子抜けした犯人が泣き崩れる無情さも含め、今作のゲストキャラは皆良かった。

まぁだからYAIBAのキャラとかももう少し、物語に絡めて私みたいな初見にも良さを見せてほしかったなぁ…て。

そう、キャラの扱いといえば紅葉。ぶっ飛んでて面白いムーブはしていたんだけど、行動原理が「告白を阻害する」だからあまり好意的に受け止められなかったですね。和葉と服部の取り合いをする、というのはから紅でもやったので、同じことをやっても仕方ないという判断はわかるけど。でもその動機に伴った行動がスタングレネードテロっていうのもなんかな…リアリティラインをぶち壊して今作を楽しめるブースターにはなってくれたけど、このキャラ自体への好感度は下がってしまったなぁ。

蘭は服部と和葉の恋愛を応援するというスタンスで函館のオススメスポットを伝えたり、聖を一瞬で気絶させ退場したりとかなり面白い立ち回りしていたし実際笑った。

紅葉はそんな蘭よりも出番が多かったので、他者の為の行動という動機が欲しかった。一言でいえば自己中過ぎる。

あとこの作品の評価できる所は、しっかり推理パートが用意されていること。刀集め、五稜郭、五稜星の刀、戦時中の謎兵器、財宝、土方歳三と結構な量の材料が用意され推理していくコナン服部のコンビはわくわくした。俺やっぱりこの二人好きだよ。自分は全く謎を解くことは出来なかったけど、財宝の隠し場所がわかるまでのシークエンスは観ていて飽きなかった。ここはかなり「昔ながらのコナンを大事にしてくれてる!」と感心した。

なので、かなり良いところもあったんです。ゲストキャラも良かった。キッドや服部の扱いも良かった。でもYAIBAキャラ、紅葉の扱いが引っ掛かってしまい乗り切れなかったという印象。原作見ていない人には少し厳し過ぎる作品かな?と。

というわけで今日はこの辺で

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