今回読んだのはこちらの本です。
私は社会福祉士の仕事に興味があります。
結構職業の幅も広がりますし、福祉の仕事の中では上流の職業です。また、資格が必要な仕事で資格取得のハードルもやや高い。つまり需要があり、かつ市場的には重要な立ち位置のものです。
でも、実際どんな仕事をするんだろうか?そう気になり、社会福祉士の仕事ってどんな感じだろうか?と思い、kindleで適当に漁って読んだ本です。
ざっくり書くとこの本は、実際にあった社会福祉士の人が携わった事例が3つ書かれたものです。
事例本です。
職場での研修でもよくモデルケースに対してどういう対応が必要かを考えるグループワークをやらされることがあります。あれは結構受動的で他の人の意見も聞きつつ「正解」を探す感覚でした。
しかし、実際の物事に正解は用意されていません。それがよくわかる本です。
社会福祉士とは、日本の数多くある社会資源と対象者を結び付けてその人らしい人生を送られるよう支援する仕事です。
その為、まずは日本の福祉サービスや社会資源、他の職種との連携とどのような施設があるかなどの情報収集が必要になります。大分多岐にわたるということです。
そしてこの本の3つの事例ではそれらに結び付ける過程と葛藤とが社会福祉士の人の視点で書かれています。
「こういう人がいるのか」「こういう家庭環境もあるのか」という形で物凄く勉強になります。ノンフィクションですからね。人の数だけ物語があるんだな、と。
私は、人が喜んでもらうのが割と好きです。常にそうだ、というわけではありませんが、自分の行動が上手い方向にいくと嬉しくなります。それをこれまでの仕事での経験とを合わせて、これからに活かせれば人生最高でしょう。
でも、同時に難しいなと思いました。この本の2つめの事例に関しては『その人の望んだ過ごし方に完全には合わせられなかった。どういう形が正解だったかわからない』と苦悩している様子が見られます。そう、常に正解などないんです。仮にその時は上手くいっていても、結果がどうなるかはわからない。
人生とは難しいものです。
自分のことであれば、結果ばかり気にしなくてもそれまでの過程を楽しめればいいと思えます。しかしサービスを与える側になるとすると、あまりそうもいってられないでしょうね。
この本は2巻、3巻とまだ続巻があるようなので、時間があるときに他の事例も読んでみたいと思います。仕事をしているだけでは気づけないこと、研修だけでは気づけないことを本で学んでいきたいですね。
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